筋肉増強や健康維持のために、プロテインを飲んでいる方は多いのではないでしょうか。プロテインは原材料によって特徴が異なりますが、今回は大豆から作られた「ソイプロテイン」に着目します。
女性がソイプロテインを飲むことに、何かデメリットはあるのでしょうか。ソイプロテインの効果やメリット、注意点についてもあわせて解説します。ぜひプロテインを選ぶ際の参考にしてください。
この記事の特別監修者 – 大豆・豆乳の専門家
少し運動したり、軽い食事制限をしていればスタイルをキープできていた20代と違って 女性は年齢を重ねると、さまざまな要因から痩せにくい身体へと変化していきます。
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ソイプロテインの基礎知識
そもそもソイプロテインとは何なのでしょうか。ソイプロテインの特徴と、他のプロテインとの違いを解説します。
ソイプロテインとは
ソイプロテインとは、大豆からタンパク質を抽出して作られたプロテインです。ソイプロテインには植物由来の「大豆タンパク質」が多く含まれており、ヘルシーなイメージを持つ方も多いでしょう。
大豆たんぱく質には肉や魚と同様にさまざまなアミノ酸が含まれており、良質なタンパク質源として知られています。また、脂質やカロリーが低くノンコレステロールです。
プロテインを飲む理由として「筋肉増強」を挙げる方もいますが、ソイプロテインはダイエットや美容・健康維持をしたい方におすすめです。
ソイプロテインの中には、ビタミンや食物繊維を配合した商品も多く販売されています。自分の目的や好みに合ったソイプロテインを選ぶとよいでしょう。
ホエイプロテインやカゼインプロテインとの違い
プロテインは主に「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」の3種類に分かれます。
ホエイプロテインとカゼインプロテインは牛乳を原材料としており、いずれも動物性タンパク質です。一方、ソイプロテインは大豆からできているので植物性タンパク質になります。
プロテインの種類
- ホエイプロテイン:ホエイ(牛乳に含まれる乳清たんぱく成分)から作られるプロテイン
- カゼインプロテイン:ガセイン(牛乳から脂肪とホエイを取り除いた残りの不溶性固形成分)から作られるプロテイン
- ソイプロテイン:大豆から作られるプロテイン
動物性タンパク質と植物性タンパク質はどちらも同じタンパク質ですが、摂取してから体に吸収されるまでの時間に違いがあります。
また、ソイプロテインには大豆特有の成分が含まれているので、吸収されてからの効果も異なります。
ソイプロテインはダイエットや美容・健康維持を目的としている方におすすめとお伝えしました。ソイプロテインと比べて、ホエイプロテイン・カゼインプロテインは筋肉の増強を目的としている方向けです。
ソイプロテインは筋力アップよりも体の引き締めや美容・健康維持に適しているので、女性におすすめのプロテインといえるでしょう。
ソイプロテインに期待できる4つの効果
植物性タンパク質であるソイプロテインには、具体的にどのような効果があるのでしょうか。ソイプロテインの代表的な効果は以下の4つです。
ソイプロテインの効果
- ダイエット効果
- 腸内環境を改善
- アンチエイジング効果
- コレステロール値を下げる
4つの項目に分けて見ていきましょう。
1.ダイエット効果
ソイプロテインに期待できる1つ目の効果は、ダイエット効果です。ソイプロテインは低カロリーなので、カロリーを抑えたうえでタンパク質をしっかりと補えます。
ダイエットで食事制限をしていると、タンパク質不足になることがあります。タンパク質が不足すると、筋肉量が減って痩せにくい体になってしまいます。
また、ソイプロテインに含まれる大豆タンパク質は脂質の代謝に関わっているため、脂肪燃焼にも効果が期待できるでしょう。こうした理由から、ソイプロテインにはダイエット効果が期待できるといわれています。
2.腸内環境を改善
ソイプロテインに期待できる2つ目の効果は、腸内環境の改善です。
大豆には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には腸内環境を改善して排便を促す効果があるため、便秘で悩んでいる方には摂取してほしい栄養素です。
また、腸内環境が良くなると代謝がアップし、体全体の健康増進につながります。代謝が上がることで、結果的にダイエット効果も期待できるでしょう。
3.アンチエイジング効果
ソイプロテインに期待できる3つ目の効果は、アンチエイジング効果(若返り効果)です。大豆の特徴的な成分として「大豆イソフラボン」が挙げられます。
大豆、とくに大豆胚芽に多く含まれる成分。
大豆イソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」と似たような構造をしており、エストロゲンが体内に足りないときは大豆イソフラボンが補ってくれます。
大豆イソフラボンは、女性らしい体づくりや肌のコラーゲン合成を促してくれます。また、体の内側から健康をサポートするので、毎日をいきいきと過ごしたい女性にとくにおすすめです。
4.コレステロール値を下げる
ソイプロテインに期待できる4つ目の効果は、コレステロール値を下げる効果です。
大豆タンパク質は飽和脂肪酸含有量が低く、コレステロールが含まれていません。それどころか、ソイプロテインを飲むことで高コレステロール値を正常にしてくれます。
大豆たんぱく質の一部は、腸管内で胆汁酸と結合して体外に排出されます。 そのため、新たに胆汁酸を作らなくてはいけません。
新しい胆汁酸を作るために、血液中から肝臓へのコレステロールの取り込みが増加します。その結果、 血中のコレステロールが減るとされています。
女性がソイプロテインを飲む7つのデメリット
ソイプロテインは、さまざまなな効果がある一方でデメリットもあります。今回は女性に焦点を当てて、ソイプロテインを飲むデメリットを7つ紹介します。
ソイプロテインのデメリット
- 即効性には欠ける
- ホルモンバランスに影響を与える可能性がある
- 筋肉増強には向かない
- 摂り過ぎは内臓への負担になる
- 置き換えのみでは痩せにくい
- 他のプロテインと比べて苦みがある
- 水に溶けにくい
7つの項目に分けて見ていきましょう。
1.即効性には欠ける
ソイプロテインは体内にゆっくりと消化・吸収されていくため、他のプロテインと比較すると即効性には欠けます。女性特有のデメリットではありませんが、念のため頭に入れておきましょう。
運動後の速やかなタンパク質補給にはソイプロテインではなく、即効性があるホエイプロテインが適しています。
2.ホルモンバランスに影響を与える可能性がある
女性がソイプロテインを飲む大きなデメリットとして挙げられるのは、ホルモンバランスに影響を与える可能性がある点です。
先ほども解説したように、ソイプロテインに含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモン「エストロゲン」と似たような働きをします。大豆イソフラボンは美容・健康維持に役立ちますが、摂取し過ぎるとホルモンバランスが乱れる可能性があります。
厚生労働省によると、大豆イソフラボンの安全な上限摂取目安量は以下の通りです。
- 閉経前女性:64mg/日
- 閉経後女性:74mg/日
上記の上限摂取目安量を超えないように、1日の摂取量を調整することをおすすめします。
3.筋肉増強には向かない
ソイプロテインは筋肉増強には不向きです。筋肉トレーニングをしている方は、筋肉を修復して大きくするためにアミノ酸の摂取が必須となっています。
しかし、ソイプロテインは植物性タンパク質で構成されており、アミノ酸の保有量がそれほど多くありません。また、先ほども解説したようにソイプロテインは体内にゆっくりと消化・吸収されていきます。
筋肉量アップを目指している方には、運動後30分以内に消化・吸収が速い動物性プロテインを摂取するのがおすすめです。
4.摂り過ぎは内臓への負担になる
ソイプロテインを摂り過ぎると、内臓に負担がかかる可能性があります。ソイプロテインは体内にゆっくりと消化・吸収される性質があるため、過剰摂取すると体内でタンパク質を消化・吸収するスピードが追いつきません。
とくに腎臓の機能が落ちている方は注意が必要です。病気療養中の方や胃腸が弱い方は、ソイプロテインを摂取する前に医師に相談することをおすすめします。
5.置き換えのみでは痩せにくい
ソイプロテインを使って置き換えダイエットをしても、置き換えのみでは痩せにくい可能性があります。
3食のうち1~2食を低カロリーの食品に置き換えるダイエット方法。
ソイプロテインは腹持ちがよいため、置き換えダイエットに適した食品です。ただし、置き換えダイエットをやめるとすぐにリバウンドするリスクがあります。
また、1日の摂取カロリーが基礎代謝を下回ってしまうと、生理不順やふらつきなどの心身不調が起こる可能性があります。ソイプロテインで置き換えダイエットをする場合は、1日1食までにして他の2食はバランスのよい食事を心掛けましょう。
6.他のプロテインと比べて苦みがある
ソイプロテインには、大豆ペプチドの独特な苦みがあります。また、大豆特有の風味もあるため、フレーバーがついていない商品は飲めない方もいるかもしれません。
普段から無調整豆乳を飲み慣れてる方以外は、最初は自分の好みのフレーバーがついたソイプロテインを選んだほうが安心です。
7.水に溶けにくい
ソイプロテインは、他のプロテインと比べて水に溶けにくい特徴があります。上手く混ぜないと、ダマができたり粉っぽさが残ってたりして飲む際に違和感を感じてしまいます。
最初は少量のお湯で溶かし、そこから少しずつ水を加えていくとダマができにくいです。また、最近はダマができにくいソイプロテインも売っているため、粉っぽさが苦手な方はチェックしてください。
女性がソイプロテインを飲む4つのメリット
ソイプロテインのメリットがわかったところで、続いてはデメリットも見ていきましょう。女性がソイプロテインを飲む主なメリットは以下の4つです。
ソイプロテインのメリット
- 低脂質&低カロリー
- 満腹感が持続しやすい
- 美容効果もプラスできる
- 乳糖不耐症でも飲める
4つの項目に分けて解説していきます。
1.低脂質&低カロリー
ソイプロテインは、ホエイプロテインやカゼインプロテインと比べて低脂質・低カロリーです。おまけにノンコレステロールなので、ダイエット中の方や健康に不安がある方でも安心して取り入れられます。
「タンパク質はしっかり摂りたい、だけど脂質やカロリーは抑えたい」という方にとって、ソイプロテインは最も適しているプロテインです。
2.満腹感が持続しやすい
ソイプロテインは、ホエイプロテインやカゼインプロテインと比べて満腹感が持続しやすい特徴があります。
ソイプロテインに含まれる大豆タンパク質は、摂取してから消化・吸収までに時間がかかります。また、胃や腸の滞在時間が長いため、満腹感が持続しやすいです。
ダイエットをしている方はソイプロテインを選ぶことで、お腹が空きにくくなり、間食や暴飲暴食を防ぐ効果が期待できます。
3.美容効果もプラスできる
大豆イソフラボンが含まれるソイプロテインは、摂取することで美容効果が期待できます。ダイエットをしていると、ストレスや栄養不足から肌トラブルを抱えがちです。
ソイプロテインに含まれる大豆イソフラボンは、肌のコラーゲン合成に深く関わっています。よって、ソイプロテインを摂取すると肌トラブルの改善につながります。
美容効果はホエイプロテインやカゼインプロテインでは得られない効果です。健康やダイエットとともに美容効果もプラスしたい方は、ソイプロテインの活用をおすすめします。
4.乳糖不耐症でも飲める
ソイプロテインは、乳糖不耐症の方でも飲める点が魅力です。
乳糖を消化吸収できず、下痢や吐き気などの症状を起こす体質。
ホエイプロテインやカゼインプロテインは乳からできているため、乳糖不耐症の方はお腹を下しやすいデメリットがあります。また、乳アレルギーの方、ヴィーガン・ベジタリアンの方は摂ることができません。
ソイプロテインであれば、上記のような悩みを抱える方でも摂取することが可能です。ただし、ソイプロテインを牛乳に溶かすと意味がありません。ソイプロテインは水や豆乳、その他の植物性ミルクに溶かして飲みましょう。
ソイプロテインを飲む時の注意点3つ
女性にメリットが多いソイプロテインですが、飲み方を間違えると逆効果となる可能性があります。ソイプロテインを飲む時の注意点は以下の3つです。
ソイプロテインを飲む時の注意点
- 過剰摂取に注意する
- 飲む時間に注意する
- 妊娠中・授乳中の方は医師に相談する
3つの項目に分けて見ていきましょう。
1.過剰摂取に注意する
プロテイン全般にいえますが、プロテインの飲み過ぎはタンパク質の過剰摂取になってしまいます。タンパク質を摂りすぎると、かえって太ったり、代謝に関わる腎臓や肝臓に負担を掛けたりして体に悪影響を及ぼします。
また。プロテインを摂取し過ぎると、消費できなかった分は脂肪として蓄えられるため注意が必要です。ソイプロテインは他のプロテインと比較すると低脂肪・低カロリーですが、それでも摂り過ぎはよくありません。
商品にもよりますが、粉末プロテインの1食分は15~30gです。飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
プロテインはあくまでもサポート食品です。普段の食事とのバランスを考えて、適切な量を摂ることを意識してください。
2.飲む時間に注意する
ソイプロテインを飲むおすすめのタイミングは、朝食後や運動後です。ソイプロテインは腹持ちがよいため、間食がしたくなったときに飲むのも良いでしょう。
ソイプロテインは体への吸収がおだやかなので、筋肉増強を目的として運動直後に飲むのには適していません。筋肉増強が目的の場合は、運動後30分以内に動物性タンパク質を含むプロテインを飲みましょう。
3.妊娠中・授乳中の方は医師に相談する
妊娠中・授乳中の方がソイプロテインを飲む際は、かかりつけ医に相談したほうが安心です。
妊娠中は通常時より多くのエネルギーが必要なので、プロテインを活用したいと考える方もいるかもしれません。ですが、通常の食事をしていればタンパク質を多く摂る必要はないでしょう。
また、大豆イソフラボンは女性ホルモンにはたらきをするため、胎児や乳児に与える影響について十分な確認が取れていません。
過剰摂取しなければ問題ないと考えられていますが、念のため医師や管理栄養士に相談したほうがよいでしょう。同様に病気療養中の方や薬を服用している方も、かかりつけ医に相談することをおすすめします。
ソイプロテインのメリット・デメリットを知って正しく飲もう
ソイプロテインには女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」が含まれているため、女性らしい体づくりや美肌効果が期待できます。
一方で、ソイプロテインにはデメリットもあります。摂取してから体に消化・吸収されるまでに時間がかかるため、筋肉増強を目指している方には適していません。
ソイプロテインのメリット・デメリットを知ったうえで、ソイプロテインを上手に活用していきましょう。
[参考]
・eヘルスネット「良質なたんぱく質」「アミノ酸」「抗酸化物質」-厚生労働省
・健康長寿ネット「コレステロールの働きと1日の摂取量」
・大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方-厚生労働省
少し運動したり、軽い食事制限をしていればスタイルをキープできていた20代と違って
女性は年齢を重ねると、さまざまな要因から痩せにくい身体へと変化していきます。
美しさを保つために、日々たくさんの努力をされているかと思いますが
仕事に家事に育児に・・・とにかく時間がない!という方も多いはず。
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