現代人は脂質をとりすぎていることが問題になっています。皆さんは毎日どれくらいの脂質を摂っているか気にしたことはありますか?脂質は体にとって重要な働きをするので悪いものではありませんが、とりすぎると太る原因になります。
鶏の唐揚げやとんかつ、ケーキにポテトチップス、私たちの周りには脂質の多い食べ物で溢れています。意識をして選択しないと脂質の多い食べ物ばかりを摂取しかねません。とりすぎると様々な病気のリスクも上がってしまいます。
今回は1日の脂質の摂取量と、脂質が多い・少ない食べ物をそれぞれ解説します。脂質をとりすぎないためのポイントも解説していますので、最後までお読みください。
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脂質のとりすぎは太る原因になる
まず、脂質とは何でしょうか?脂質は私たちの体をつくる上で重要な役割をします。
- 体を動かすためのエネルギー源
- ホルモン・細胞膜の構成
- 体温を保つように温存する働き
- 脂質性ビタミンの吸収の促進 等
このように様々な役割があります。炭水化物、タンパク質と並ぶ三大栄養素としても知られていますよね。
重要な役割も持つ脂質。しかし、脂質は食事からの摂取や肝臓での生産によって不足することはほとんどありません。むしろ、現代では脂質のとりすぎが問題になっているのです。
とりすぎて余った脂質は中性脂肪になります。さらに血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが増加し、善玉コレステロールが減少するので太る原因にもなるのです。
脂質異常症という病気になるリスクも上がります。血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが慢性的に高い状態となり、動脈硬化が起きやすい非情に危険な状態です。動脈硬化を起こすと心疾患・腎疾患・脳血管疾患等の様々な病気に繋がる恐れもあります。
毎日の食事で脂質をどれだけ摂取しているのかを意識して過ごしている人は多くありません。しかし、脂質のとりすぎは太る原因、様々な病気のリスクを上げます。食べ物を選ぶときに脂質の量を考える癖をつけてみましょう。
脂質の1日の摂取量
脂質の1日の摂取量を見ていきましょう。年齢・体重・性別によって若干変わりますが、1日に必要な総摂取エネルギーの20~25%が理想の目安です。グラムに換算すると、成人で1日に40g~60gになります。
このように総摂取エネルギーの30%未満と定められているものの、2019年の「国民健康・栄養調査」の結果では脂質を30%以上摂っている人の割合が20歳以上の男性で3割、女性で4割を越えています。この値は年々増え続けており、今後も増加すると考えられています。
(出典:「脂肪エネルギー比率の分布(20歳以上)」-農林水産省)
脂質が多いのはサラダ油やバターだけではありません。肉や魚をはじめ、サラダ油やバターを使って調理された食べ物等、私たちが食べるときには目に見えないものでも脂質が多く含まれている場合があります。これらの全ての脂質を合わせて30%未満が理想なのです。
【とりすぎ注意】脂質が多い食べ物6選
次に脂質が多い食べ物を見ていきましょう。今回は大きく6つの食べ物に分けました。
- 揚げ物
- お菓子
- 肉のロースやバラ
- 魚卵
- マヨネーズ
- パン
皆さんがイメージしやすい食べ物もありますが、意外な食べ物もあるかもしれません。とりすぎると太る原因になるので注意してください。毎日の食事の参考にしてくださいね。
1.揚げ物
脂質が多い食べ物といえば、揚げ物を最初に思い浮かべるかもしれません。揚げ物は具材の水分を蒸発しながら多くの油が吸い込まれていきます。
例えばとんかつ。脂質の量は100g当たりヒレだと25.3g、ロースは35.9g含まれています。一般的なとんかつは120g程あるので、昼食にロースとんかつを食べただけで1日に必要な脂質量を摂取してしまう可能性があるのです。
コンビニエンスストアで買い物をするときにレジ横のホットスナックコーナーについ目を向けてしまって追加で揚げ物を買ってしまう人はいませんか?脂質をとりすぎる原因となるので止めましょう。
揚げ物を食べるときにはその日の他の食事や次の日の食事に気をつけるようにしてください。
2.お菓子
お菓子にも脂質が多く含まれています。揚げ物のポテトチップスやスナック菓子の他にもチョコレートやケーキ、クッキー等にもバターや植物油脂が使われているので脂質が多いです。
各商品にはパッケージの側面に脂質の量が記載してあるので選ぶ際に見てみましょう。意外に多いものもあります。
洋菓子に比べると和菓子の方が脂質は少ないですが、揚げせんべいやかりんとうは揚げているので高脂質です。注意してくださいね。
3.肉のロースやバラ
ロース肉やバラ肉も注意したい食べ物です。肉にも脂質は多く含まれています。部位によって脂質の量が異なるので注意しましょう。
牛、豚ともにロースやバラの部分は脂質が多いです。脂身があって美味しいのでステーキや焼き肉で選んで食べる人もいるかもしれませんが、とりすぎは禁物。
少量にしたり基本的には脂身の少ないヒレを選んだりしてコントロールするようにしてください。
4.魚卵
魚卵は、意外にも多くの脂質が含まれています。基本的に魚介類の油はDHAやEPA等の不飽和脂肪酸が豊富です。不飽和脂肪酸は血液をサラサラにして血中コレステロールの低下が期待できるので体に良い影響を与える働きがあります。
しかし、とりすぎは1日の脂質の摂取量を越えてしまうので注意が必要です。いくらは100g当たり脂質15.6g、たらこは4.7g、数の子は6.7g含まれています。
ごはんにのせて食べると美味しいですよね。たらこや数の子は1パックが約100gです。いくら丼を選ぶと100g以上食べてしまいます。魚卵を摂取の際は少量にして食べるようにしましょう。
5.マヨネーズ
サラダや調理に使う調味料にも脂質は含まれています。その中でもマヨネーズは特に脂質が多いです。
100g当たり全卵タイプで脂質量76g、卵黄タイプで74.7g含まれています。大さじ1杯で約12gなのでサラダにかけたり、ポテトサラダに使ったりして摂取するとあっという間に1日の摂取量を越えてしまいます。
サラダに何かかけて食べるときは、マヨネーズではなくてノンオイルタイプのドレッシングがおすすめです。
6.パン
パンにはバターや乳成分が練りこんであるので意外にも多くの脂質が含まれています。特にクロワッサンやカレーパンは揚げているので高脂質です。さらにバターを塗って食べると脂質量は増えてしまうので注意しましょう。
また、いわゆる「菓子パン」や「総菜パン」はパンの脂質に具材の脂質もプラスされています。朝食やおやつに菓子パンを食べると脂質のとりすぎで太る原因に繋がります。
包装紙にカロリーや脂質が書かれているので、選ぶときは見るようにしてください。
脂質が少ない食べ物6選
脂質が多い食べ物が分かりましたか?次に脂質の少ない食べ物を6つ解説します。
- 野菜・果物
- 米や穀物
- 鶏のささみ
- 魚介類
- 海藻
- きのこ
毎日の脂質量をコントロールする上で脂質の少ない食べ物を知ることは大切です。バランスを考えて摂取していきましょう。
1.野菜・果物
野菜や果物は脂質が少ないです。脂質の多い食べ物の量を減らして野菜を多く摂取すると良いでしょう。肉を食べるときにサラダを用意したり、野菜を多く使った肉野菜炒めを作ったりするとバランス良く脂質を摂取できます。
ただし、アボカドは脂質が100g当たり17.5gと多いので食べすぎには注意しましょう。また果物は脂質が低いですが、糖質が多く含まれており食べすぎは太る原因になります。
大事なのは様々な食べ物をバランス良く摂取することです。毎日の食事で野菜・果物の摂取を意識するようにしてください。
2.米や穀物
米や穀物は脂質が低いです。パンを食べるよりも白米、玄米を食べる方が脂質の摂取を低く抑えられます。
ただし、糖質が多いので食べすぎは太る原因になります。注意しましょう。
血糖値が急激に上がりにくい玄米やもち麦、オートミールを選ぶのがおすすめです。
3.鶏のささみ
肉では、脂質の低い鶏のささみがおすすめです。さらにタンパク質が多いのでダイエットにも適している食べ物です。茹でてサラダと和えたり、野菜と一緒に炒めたりして摂取するのがおすすめです。
鶏肉は皮の部分に脂質が多く含まれています。脂質の摂取量を抑えたい場合は皮の部分を切り取って食べましょう。
ちなみにコンビニエンスストアで売っているサラダチキンは鶏のむね肉であることが多いです。こちらも低脂質・高タンパク質なのでおすすめですが、パッケージに書かれている脂質量を見て買うようにしてください。
4.魚介類
前項でも書きましたが、魚介類に含まれる油は不飽和脂肪酸という体に良いとされている油です。不飽和脂肪酸は魚介類の他にナッツやオリーブオイル、亜麻仁油等に豊富に含まれています。
白身魚と赤身魚を比べると白身魚の方が全体的に脂質量は低いです。焼くと油を使ってしまうので、刺身や蒸し料理・煮て食べるようにしましょう。
エビやタコ、イカ、貝類は特に脂質が低いのでおすすめです。
5.海藻
海藻は低脂質です。さらに食物繊維を多く含んでいるので摂取するとお腹の中で膨らんで食べすぎを防ぐことができます。ダイエットにも向いている食べ物です。
汁物で使う以外にサラダにトッピングしたり、和え物に混ぜたりすると効果的に摂取できます。調理するときはカットわかめを使うと手軽に摂取できるのでおすすめです。
6.きのこ
きのこも低脂質です。肉の量を減らして煮物や炒め物に加えるとカサ増しになってボリュームは変わらないままに脂質の摂取を抑えられます。
食物繊維も豊富なのがきのこの特徴です。お腹の中で膨張して満腹感が得られるので食べすぎ防止にも繋がります。
脂質のとりすぎを防ぐ3つの調理のポイント
次に、脂質のとりすぎを防ぐ調理ポイントを解説します。食べ物を選ぶだけではなくて調理するときにも少し気をつけるだけで脂質のとりすぎを防ぐことができます。
3つご紹介するので注意するようにしましょう。
1.「蒸す」「煮る」を活用する
調理する際に油を多く使うと脂質の摂取量が増えてしまいます。「揚げる・炒める」よりも「蒸す・煮る」を活用しましょう。
「蒸す」となると調理に手間がかかると思う人もいるかもしれません。しかし最近は電子レンジで蒸せる容器が販売されています。容器に肉や野菜を一緒に入れてレンジにかけるだけで調理ができるので簡単でおすすめです。
煮るときには最初に油を使って炒めずに煮るようにしてくださいね。
2.オリーブオイルやキャノーラ油を使う
調理に油を使う場合は不飽和脂肪酸が豊富な油を使うようにしましょう。同じ油でもオリーブオイルやキャノーラ油は体に良いとされる不飽和脂肪酸のオレイン酸が豊富に含まれています。不飽和脂肪酸は血中の悪玉コレステロールを減らしてくれます。
不飽和脂肪酸が豊富な油は他にも亜麻仁油、えごま油が挙げられますが、この2つは炒めるとかえって有害な成分が出てくるので危険です。そのままサラダや食べ物にかけて食べる場合に向いています。
3.肉は一度茹でる
肉は脂質が多い食べ物です。一度茹でてから炒めたり、煮たりしてから使うようにしましょう。手間がかかりますが、その少しの手間が脂質の摂取を抑えて太りにくくします。
脂と一緒にアクも取れるのでより美味しく調理できるメリットもあります。食べても脂のギトギト感が少なく、さっぱりしていてヘルシーです。
脂質をとりすぎないための3つのコツ
最後に脂質をとりすぎないためのコツを3つご紹介します。
- 見える油と見えない油を知る
- 脂を摂るときは不飽和脂肪酸を選ぶ
- バランスの良い食事を心掛ける
この3つを意識すれば脂質のとりすぎを防いで太りにくい体をつくれます。
スーパーで食べ物を選ぶとき、自宅で調理をするとき、外食のとき等、食事の際には気をつけるようにしましょう。
1.見える油と見えない油を知る
脂質をとりすぎないためには目に見える油だけでなく「見えない油」を知ることが大切です。「見える油」とは調理やトッピングに使う油です。サラダ油やオリーブオイル、ごま油、バター、マーガリン等があります。
一方で「見えない油」とは肉や魚に含まれる脂、揚げ物やお菓子、加工食品に含まれる油等の私たちが気づかない内に摂取している油のことです。見ただけでは、どのくらいの油が含まれているか分かりませんよね。
「見えない油」のとりすぎは脂質のとりすぎに繋がります。調理に使う油の種類や量に気をつけていても「見えない油」を多く摂取していては意味がありません。
「見えない油」は加工食品であればパッケージの側面や裏に食品成分表として原材料とともに脂質の量も記載されています。ファミリーレストランでもメニューに書いているので気をつけるようにしましょう。
2.脂を摂るときは不飽和脂肪酸を選ぶ
脂質は大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれます。肉や乳製品等の動物性食品に多く含まれているのが飽和脂肪酸。魚や植物油脂に多く含まれているのが不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸は体内で合成できないので食べて摂取する必要があります。血液をサラサラにして血液中の悪玉コレステロール値を下げてくれるので健康・美容の観点から積極的な摂取が推奨されているのです。
日本人は飽和脂肪酸の摂取量が断然多いです。脂質をとるなら、健康・美容をアップする不飽和脂肪酸を選ぶようにしましょう。
3.バランスの良い食事を心掛ける
バランスの良い食事を心掛けることが、脂質をとりすぎないことにつながります。ラーメンやファーストフード、スナック菓子など脂質が多い食べ物は美味しいです。しかし、脂質ばかりではなくて糖質やタンパク質、ビタミン等も含めて1日の食事のバランスを考えながら摂取しましょう。
ノートにその日に食べたものを書き込む方法がおすすめです。揚げ物が多かったり、パンばかり食べていたりと1日の食事以外に最近の食事の傾向も客観的に見られます。
いきなり脂質を制限するのは難しいので、少しずつ調整して自分の食事を見直してみましょう。
脂質のとりすぎを防いでダイエットに役立てよう
私たちの周りには脂質が多い食べ物で溢れています。脂質のとりすぎは太る原因になり、脂質異常症や動脈硬化のリスクも上がります。
脂質のとりすぎを防ぐには脂質が多い・少ない食べ物を知って毎日選んでいくことが大切です。調理のときにも少し気をつけるだけで脂質の摂取量を抑えることができます。
毎日の食事で脂質の量を意識してみてください。とりすぎを防いでダイエットに役立てていきましょう。
- 日本食品標準成分表2020年版(八訂)-文部科学省
- 食品成分データベース -文部科学省
- 「脂質のとりすぎに注意」-農林水産省
- eヘルスネット「脂肪 / 脂質」「脂質異常症」厚生労働省
少し運動したり、軽い食事制限をしていればスタイルをキープできていた20代と違って
女性は年齢を重ねると、さまざまな要因から痩せにくい身体へと変化していきます。
美しさを保つために、日々たくさんの努力をされているかと思いますが
仕事に家事に育児に・・・とにかく時間がない!という方も多いはず。
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限られた時間のなかで効率的にあなたの理想に近づくことができます。
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