チアシードは、さまざまな栄養素を含んでいることから「スーパーフード」とも呼ばれています。世界のトップモデルやハリウッドセレブが食べていることでも話題となりました。
ただし、日本では食品として浸透しておらず、存在を知らない方もいるのではないでしょうか。チアシードは栄養豊富なだけでなく、ダイエット効果も期待できる万能食材です。
本記事では、チアシードに含まれる栄養素や効果、メリット・デメリットなどを解説します。食べ方や注意点も解説するため、ぜひ参考にしてください。
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チアシードとは?特徴やカロリーを解説
チアシードは、メキシコ南部の原産である「チア」というシソ科の植物の種(シード)です。水につけると膨らみプルプルとした食感になるため、ダイエット志向の女性を中心に人気が高まっています。
チアシードには、黒(ブラックチアシード)と白(ホワイトチアシード)の2種類があります。元々は黒が主流でしたが、のちに品種改良で白が誕生しました。
白のほうが栄養価が高く、膨張率も大きいのが特徴です(黒:10倍、白:14倍)。チアシードの栄養成分は以下を参照してください。
カロリー(kcal) | 炭水化物(g) | タンパク質(g) | 脂質(g) | |
---|---|---|---|---|
チアシード(乾燥) ※可食部100gあたり | 446 | 34.5 | 19.6 | 33.9 |
チアシード可食部100gあたりのカロリーは446 kcalで、白米(同条件で342kcal)と比べると高めです。ゼリー状になったチアシードは白米よりもお腹に溜まりやすく、食べる量を減らすサポートをしてくれるでしょう。
チアシードに含まれる5つの栄養素
また、チアシードにはさまざま栄養素が含まれており、体の健康・美容をサポートしてくれます。今回ピックアップする栄養素は以下の5つです。
アシードに含まれる5つの栄養素
- タンパク質(アミノ酸)
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
- オメガ3脂肪酸
1.タンパク質(アミノ酸)
チアシードには、植物では珍しくタンパク質が多く含まれていいます。可食部100gあたりに含まれるタンパク質は19.6gです。
タンパク質は、筋肉・肌・臓器・髪・爪などの材料となります。私たちの体のさまざまな部位を作るのに欠かせない栄養素です。
たんぱく質が不足すると筋肉量が落ち、基礎代謝が落ちることで太りやすくなる恐れがあります。また、肌や髪のトラブル、集中力の低下などが起こる可能性もあります。
2.ビタミン
チアシードには、体に必要なビタミンが豊富に含まれています。チアシードに含まれるビタミンは以下の通りです。
ビタミンA | β−カロテン:3μg β−カロテン当量:3μg |
ビタミンE | α−トコフェロール:0.3mg γ−トコフェロール:14.0mg δ−トコフェロール:0.5mg |
ビタミンK | 1μg |
ビタミンB1 | 0.97mg |
ビタミンB2 | 0.25mg |
ナイアシン | 9.8mg |
ナイアシン当量 | 15.0mg |
ビタミンB6 | 0.42mg |
葉酸 | 84μg |
パントテン酸 | 0.53mg |
ビオチン | 24.0μg |
ビタミンC | 1mg |
ビタミンは私たちの健康を維持するために欠かせない栄養素です。また、美しい肌や髪をキープするためにも欠かせません。
3.ミネラル
チアシードには、ビタミンだけでなくミネラルも豊富に含まれています。チアシードに含まれるミネラルは以下の通りです。
カリウム | 760mg
|
カルシウム | 570mg |
マグネシウム | 360mg |
リン | 820mg |
鉄 | 7.6mg |
亜鉛 | 5.9mg |
銅 | 1.79mg |
マンガン | 4.80mg |
セレン | 11μg |
クロム | 8μg |
モリブデン | 44μg |
ミネラルはダイエット中に不足しやすいため、これだけバランスよく摂取できるのは魅力です。とくに鉄分やカルシウムが豊富に含まれています。
4.食物繊維
チアシードには、可食部100gあたり36.9gの食物繊維が含まれています。大さじ1杯のチアシードには約4gの食物繊維が含まれていることになります。
健康維持や便秘予防・改善のために、食物繊維は欠かせない栄養素です。野菜や海藻類をあまり食べない方は、毎日チアシードを食べることをおすすめします。
5.オメガ3脂肪酸
チアシードには、オメガ3脂肪酸が含まれています。オメガ3脂肪酸は、青魚に多く含まれてることでも有名です。
脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられますが、不飽和脂肪酸はさらに「オメガ3(n-3系脂肪酸)」「オメガ6(n-6系脂肪酸」「オメガ9(n-9系脂肪酸)」の3つに分類されます。
オメガ3脂肪酸には、血液中の脂質濃度を下げる働きがあり、具体的には以下のような効果が期待できます。
オメガ3脂肪酸に期待できる効果
- コレステロールを下げる
- 中性脂肪を下げる
- 動脈硬化・心筋梗塞予防
- 高血圧予防 など
チアシードに期待できる5つの効果・メリット
健康・美容をサポートするチアシードですが、一体どのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、チアシートがもつ以下5つの効果を紹介します。
チアシードに期待できる効果・メリット
- ダイエットにつながりやすい
- 糖の吸収を抑える
- 便秘改善につながりやすい
- 生活習慣病の予防につながりやすい
- 美肌効果が期待できる
1.ダイエットにつながりやすい
チアシードに期待できる1つ目の効果は、ダイエットにつながりやすいことです。チアシードは吸水性が高く、水分で膨らむと体積が約10倍になりゼリーのような食感に変化します。
カロリーは1食分(10~15g)で60kcal前後しかないため、料理のトッピングに加えると食べる量を減らせる可能性があります。
ダイエットの成功には1日の総摂取カロリーを減らす必要があるため、チアシードは有効な手段といえるでしょう。
2.糖の吸収を抑える
チアシードを摂取すると、糖の吸収を抑えてくれる可能性があります。チアシードには「グルコマンナン」と呼ばれる水溶性食物繊維が含まれているためです。
水溶性食物繊維は糖の吸収を遅らせる作用をもっているため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。血糖値が急上昇するとインスリンの分泌量が増えて脂肪を溜めこみやすくするため、チアシードは「肥満予防」に有効な食品といえるでしょう。
3.便秘改善につながりやすい
チアシードに含まれる「グルコマンナン」は便秘の改善にも貢献します。グルコマンナンには吸着性があり、腸内の有害物質やコレステロールなどを外に排泄してくれます。
その結果、腸内環境の改善が期待できるでしょう。さらに、グルコマンナンは腸内環境を整える善玉菌のエサとなるため、便の排出がスムーズになります。
便秘はぽっこりお腹の原因にもなるため、特に女性はチアシードを積極的に摂取しましょう。
4.生活習慣病の予防につながりやすい
チアシードには「α-リノレン酸(n-3系多価不飽和脂肪酸の一種)」という必須脂肪酸が含まれています。必須脂肪酸とは、体内で合成できない脂質です。
α-リノレン酸は動脈硬化予防や免疫機能を改善する効果があるといわれており、私たちの健康に欠かせません。さらに、近年の研究によりα-リノレン酸は「血圧低下」にも関与することがわかっています。
チアシードを積極的に摂取して、生活習慣病を予防しましょう。
5.美肌効果が期待できる
チアシードに含まれるα-リノレン酸には、肌をみずみずしく保つ働きがあります。「セレン」と呼ばれる成分には肌の老化を抑える作用があり、シミやたるみを抑えてハリ・ツヤのある肌を保ってくれます。
さらに、チアシードには美肌に欠かせないビタミン・ミネラルが豊富に含まれている点も魅力です。食物繊維により腸内環境が改善することも美肌につながるでしょう。
チアシードのデメリット7つ
ダイエットや美肌効果のあるチアシードですが、残念ながらデメリットもあります。以下7つのデメリットを確認して、あなたにチアシードが合っているかどうか確認しましょう。
チアシードのデメリット
- 世間一般に浸透していない
- 効果が現れるまでの期間が決まっていない
- 水に浸す手間が発生する
- カロリーが高い
- 便秘や下痢になる可能性がある
- アレルギー反応が出る可能性がある
- 薬との組み合わせに注意する必要がある
1.世間一般に浸透していない
チアシードは栄養素が豊富でダイエットにも利用しやすい便利な食材ですが、世間一般には浸透していません。そのため、近くのスーパーやコンビニに置いていない可能性が高いです。
一部スーパーマーケットやインターネットで購入できますが、定期的に買いたい方はインターネットから注文してみるとよいでしょう。
2.効果が現れるまでの期間が決まっていない
チアシードはあくまでもカロリーを抑えるための食品です。体脂肪や体重を減らすような成分は含まれていないため、効果が現れるまでの期間は決まっていません。
ダイエットで大切なのは、1日の総摂取カロリーを意識することです。チアシードを日常生活にうまく取り入れている方ほど、効果を発揮するまでの期間は短くなります。
適度な運動や健康的な食生活を維持しつつ、チアシードを取り入れて効果を実感しましょう。
3.水に浸す手間が発生する
チアシードは、基本的には水に浸してから食べます。販売しているメーカーによって異なりますが、なかには数時間浸すものもあり、食べるまでに時間がかかるのがデメリットです。
チアシードを料理に加える際は、あらかじめ入れるタイミングを決めておくとよいでしょう。水に浸すのが面倒な方は、乾燥した少量のチアシードを料理に加えても問題ありません。
4.カロリーが高い
チアシードには、カロリーが高いというデメリットがあります。可食部100gあたりのカロリーは446 kcalと、他の食品と比較しても高めです。
大さじ1杯分なら約46kcalとなるため、1日の摂取量を守れば大きな問題はありません。食べ過ぎには注意しましょう。
5.便秘や下痢になる可能性がある
チアシードには、便秘や下痢になるリスクがあります。主な原因は「食べ過ぎ」と「乾燥した状態で食べる」の2つです。
チアシードは水分を吸収して胃の中で膨れ上がるため、大量に食べるとお腹の張りや痛みを感じることがあります。人によっては下痢症状を起こすケースもあるでしょう。
また、チアシードを乾燥した状態のまま食べると、消化不良を起こして腹痛や下痢につながる恐れがあるため要注意です。
6.アレルギー反応が出る可能性がある
チアシードを摂取すると、人によってはアレルギー反応が出る可能性があります。チアシードはシソ科の植物の種なので、シソ科の植物にアレルギー反応を持っている方は要注意です。
また、ゴマやマスタードに症状が出る方も拒否反応が出る可能性があります。心配な方は事前に病院でアレルギー検査を受けることをおすすめします。
7.薬との組み合わせに注意する必要がある
チアシードを摂取する際は、薬との組み合わせに注意する必要があります。対象となるのは、血栓予防や血圧に関する薬を服用している方です。
チアシードに含まれるオメガ3脂肪酸は、血栓予防や血圧に関する薬と相性が悪く、血圧低下などの副作用が起こる可能性があります。
血栓予防や血圧に関する薬を服用している方は、チアシードを摂取する前に必ずかかりつけ医に相談してください。原則としてチアシードは摂取しないほうがよいでしょう。
チアシードのおすすめの食べ方・レシピ
チアシードは、サラダやクッキーなどさまざまな料理に加えられる便利な食品です。ここでは、チアシードのおすすめの食べ方・レシピを紹介します。
チアシードの食べ方
- 水で戻して使う
- 1日に大さじ1杯
- ヨーグルトやスムージーに入れる
- サラダに乗せて食べる
水で戻して使う
チアシードは基本的に水に浸してから食べるようにしましょう。全体が漬かるくらいに水を入れたら、商品の表示にもよりますが基本的には一晩置いておきます。
浸しておくと水分を含んでゼリー状になり、プルプル・プチプチとした食感になります。料理やスイーツのよいアクセントになるでしょう。
1日に大さじ1杯
チアシードは1日大さじ1杯を目安に摂りましょう。チアシードは栄養豊富でさまざまな効果が期待できますが、一気に摂りすぎると腹痛を起こす原因になってしまうので要注意です。
また、チアシードを多く食べたからといって、痩せるわけではありません。摂取量の上限を超えないように注意しながら、チアシードを料理に加えてみましょう。
ヨーグルトやスムージーに入れる
おすすめの食べ方はヨーグルトやスムージーに入れて食べる方法です。チアシードを加えるだけなので忙しい朝でもすぐに用意できます。
浸水させたチアシードを冷蔵庫に入れておけばすぐに用意できるため、朝食や間食に最適です。さまざまな食材を使うと飽きずに続けられるので、ダイエットの強い味方となるでしょう。
サラダに乗せて食べる
チアシードをサラダに乗せて食べる方法もあります。ノンオイルドレッシングなどにチアシードを入れて戻しておき、そのドレッシングをサラダにかける方法がおすすめです。
ドレッシングにチアシードを入れることで、サラダに足りない栄養素を補えます。また、満腹感も感じやすくなるでしょう。
チアシードを食べるときの3つの注意点
栄養素が豊富でダイエットに効果的なチアシードですが、食べ方を間違えると体調が悪化したり思うような効果が出なくなったりするかもしれません。チアシードの食べるときの注意点は以下の3つです。
チアシードの食べるときの注意点
- 乾燥した状態で食べない
- 加熱調理は避ける
- よく噛んでから飲み込む
1.乾燥した状態で食べない
チアシードを水に浸さずに、乾燥した状態のまま食べるのはやめましょう。少量なら大した問題ありませんが、ナッツのような感覚で大量に摂取すると、消化不良を起こして腹痛や下痢につながる恐れがあります。
1日大さじ1杯を目安にして、あなたに合った分量に調整しましょう。
2.加熱調理は避ける
美肌効果や生活習慣病の予防に期待できる「α-リノレン酸」は、熱に弱く加熱調理によって機能を失う可能性があります。
チアシードは殻に覆われていて熱に強いイメージがありますが、200℃以上の高温調理や殻を潰してしまうとα-リノレン酸が酸化しやすくなってしまいます。
チアシードの栄養素を最大限に活かしたいときは、水で膨らませてからサラダやヨーグルトに入れて食べるとよいでしょう。
3.よく噛んでから飲み込む
チアシードはよく噛んでから飲み込まないと、喉に詰まってしまう恐れがあります。水に浸してゼリー状になっているときは、よく噛むことを意識しましょう。
また、しっかりと噛むとチアシードの殻が潰れて栄養素を吸収しやすくなります。効率的に栄養を吸収するためにも、そのまま飲み込まないようにしましょう。
チアシードを食事に摂り入れて健康的に過ごそう
チアシードは栄養素が高く腹持ちもよいため、ダイエットに向いている食品といえます。ただし、取り入れる際にはいくつかの注意点があります。
また、日本ではまだ浸透しておらず、一部スーパーやインターネットでしか取り扱っていません。ダイエットもしくは健康のために長期的に摂取する予定のある方は、まとめて購入しておくことをおすすめします。
チアシードを取り入れて、あなたの体をより健康的にしましょう。
【参考文献】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)-文部科学省
・食品成分データベース -文部科学省
・厚生労働省「便秘と食習慣」
・日本末病システム学会雑誌「α-リノレン酸摂取による血圧低下作用に関する検討」
・eヘルスネット「食物繊維」「食物繊維の必要性と健康」「腸内細菌と健康」-厚生労働省
少し運動したり、軽い食事制限をしていればスタイルをキープできていた20代と違って
女性は年齢を重ねると、さまざまな要因から痩せにくい身体へと変化していきます。
美しさを保つために、日々たくさんの努力をされているかと思いますが
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