皆さんは脂質を一日にどれくらい摂取しているか把握していますか?脂質はサラダ油やオリーブオイルなどの目に見えるもの以外に、肉や魚、料理やお菓子にも含まれています。
健康の為に日頃から揚げ物やスナック菓子を避けている人も多いですが、つい食べすぎてしまう時もありますよね。しかし、摂りすぎはメタボの原因や脂質異常症、心臓病のリスクが上がる恐れがあります。一日の摂取量を知っておくことが大切です。
今回は脂質制限の目安となる脂質30gがどれくらいかを分かりやすく解説します。脂質の摂取量を抑えるコツや制限中の注意点もお伝えしているので、参考にしてみてください。
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脂質制限中の一日の摂取量の目安
はじめに、脂質制限中の一日の摂取量を解説します。通常は全体の総エネルギーの20~30%を目安に摂取します。性別や年代、活動量によって摂取すべき総エネルギーは変わりますが、gに換算するとだいたい男女ともに40~60g程です。
脂質制限中の場合、総摂取エネルギーの20%以下を目安にしましょう。g換算すると20~40gが目安です。一日約30gを目標にすると脂質制限をスムーズに進めることができます。
厚生労働省がおこなった令和元年の国民健康・栄養調査では、脂肪エネルギー比率が30%以上の人の割合が20歳以上の男性で約35.0%、女性で約44.4%という結果が出ました。現代の日本人は脂質を摂りすぎる人が多くなっています。
脂質は様々な食材に含まれています。脂質制限を始める前に自分がどれくらいの脂質を摂っているか、そして摂取する食材や料理に脂質がどれくらい入っているのかを考えてみましょう。
ただ制限するだけではなく「脂質30gが目標」と具体的な数字で考えながら食べると、効果的にダイエットできます。
脂質30gはどれくらい?
制限中の摂取量が分かりました。では、脂質30gは具体的にどれくらいの量を食べると越えてしまうのでしょうか。
今回は特に脂質量が多い食べ物を挙げてみました。ちなみにサラダ油やオリーブオイルなどの植物油は、gそのものが脂質の量になります。
パン類
重量 | 含まれる脂質量 | |
---|---|---|
クロワッサン | 2個(約90g) | 24.1g |
カレーパン | 1個(約120g) | 21.9g |
肉類
重量 | 含まれる脂質量 | |
---|---|---|
和牛ロース | 100g | 56.5g |
和牛サーロイン | 100g | 47.5g |
和牛バラ | 100g | 50.0g |
豚バラ | 100g | 40.1g |
ベーコン | 100g | 39.1g |
魚介類
重量 | 含まれる脂質量 | |
---|---|---|
あんこう肝 | 100g | 41.9g |
オイルサーディン | 1缶(約125g) | 38.3g |
揚げ物
重量 | 含まれる脂質量 | |
---|---|---|
ロースとんかつ | 1枚(約120g) | 43.0g |
ヒレとんかつ | 1枚(約120g) | 30.3g |
鶏の唐揚げ | 5個(約150g) | 27.1g |
イワシフライ | 1枚(約80g) | 24.2g |
野菜・果実類
重量 | 含まれる脂質量 | |
---|---|---|
アボカド | 1個(150g) | 26.2g |
えだまめ(生) | 100g | 6.2g |
卵・乳製品
重量 | 含まれる脂質量 | |
---|---|---|
生クリーム(乳脂肪) | 1箱(200g) | 86.0g |
生クリーム(植物性脂肪) | 1箱(200g) | 71.8g |
6Pチーズ | 1箱 | 26.4g |
卵 | 1個(約60g) | 6.1g |
お菓子
重量 | 含まれる脂質量 | |
---|---|---|
ポテトチップス | 1袋(約85g) | 29.9g |
ショートケーキ | 1切れ(約120g) | 17.6g |
炭水化物では基本的に低脂質です。クロワッサンやカレーパンはバターを多く使ったり揚げていたりするので脂質が高くなっています。
肉類は脂身が多い部位は脂質が高くなります。ロースやバラ肉は高いので買う時に注意して選ぶようにしてください。
また、揚げ物は肉類・魚介類と分けました。揚げ物は全体的に脂質が高い食べ物なので脂質制限中は控えましょう。特にとんかつや鶏のから揚げは肉の脂質も含まれています。食べると一日の摂取量を容易に超えてしまうので注意してください。
野菜・果実類は基本的に脂質は低いですが、アボカドは例外で脂質量は高くなっています。アボカドに含まれる脂質は体にとって良い油なので健康の為に食べている人も多いですが、摂取量には気をつけましょう。
卵は1個の脂質は低いですが食べすぎると30gを越えてしまいます。制限中は食べる量を決めるようにしてください。
脂質を抑える8つのコツ
脂質が多い食べ物が分かりました。皆さんも脂質が多い食べ物といえば「揚げ物」が思い浮かびますよね。
しかし、揚げ物だけ気にしていても脂質制限はできません。前項でご紹介したように脂質は様々な食べ物に含まれています。
次に一日の脂質の摂取量を抑えるコツを8つご紹介します。毎日の食生活で以下の点に気をつけてみてください。
揚げ物や炒め物は避ける
一番気をつけたいのは、やはり「揚げ物」ですが「炒め物」にも気をつけましょう。炒める際にも油は使います。余計な油を摂取してしまうので、揚げたり炒めたりする料理は可能な限り避けてください。
制限中は「蒸す」「煮る」「茹でる」の3つの調理法を使った料理がおすすめです。油を使わないので脂質の摂取量を抑えることができます。
特に野菜を食べる際に生野菜サラダだけ食べていては体が冷えて代謝が悪くなってしまいます。蒸し野菜にすると温かい上にビタミンなどの栄養を丸ごと摂取できるのでおすすめです。
インスタント食品・ファストフードを避ける
忙しい時に手軽に食べられるインスタント食品やファストフードは便利ですが、制限中は避けましょう。インスタントの麺は揚げてあるものが多いです。カロリー、脂質ともに多いのでダイエットには向いていません。
また、ハンバーガーや牛丼などのファストフードもカロリーや脂質が多いので控えてください。ランチにハンバーガー、ポテトフライ、ナゲットを食べるとあっという間に一日の脂質摂取量を越えてしまいます。
外食が多い人はファストフード店ではなく、定食屋やファミレスなどの飲食店に変更するようにしてください。
洋菓子を避ける
制限中にお菓子を食べるのは避けたいところです。特にケーキやドーナツなどの洋菓子は原材料にバターや生クリーム、チョコレートを使います。脂質が高いので食べないようにしましょう。
大福や団子、ようかんなどの和菓子は脂質が低いです。洋菓子と和菓子のどちらかで迷った際には和菓子を選んでください。しかし、和菓子は糖質が高いので食べすぎには注意です。
小腹が空いた場合にはお菓子ではなく、フルーツや小さく握ったおにぎりを食べると脂質量を抑えながらお腹を満たせます。
調味料の油に注意する
調味料にも油が含まれていることを忘れないでください。例えばマヨネーズ(全卵)は大さじ1杯に10.6gの脂質が含まれています。ドレッシングも油が多く使われています。
脂質を控えようとしてサラダを多く食べていても、マヨネーズやドレッシングをたくさんかけてしまうと意味がありません。サラダにはポン酢やノンオイルドレッシングをかけて食べるのがおすすめです。
ナッツやチーズは摂取量に注意
ナッツやチーズは低糖質なので比較的ダイエットに向いている食べ物ですが、脂質は高い傾向にあります。小腹が空いた時やおつまみに食べる場合は摂取量に注意してください。
ナッツ類ではマカダミアナッツ・ヘーゼルナッツ・くるみ、チーズはチェダーチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズが脂質が高いです。一日に食べる量を決めておくと、摂取量を上手にコントロールできます。
低脂肪の商品を選ぶ
牛乳やヨーグルトには低脂肪の商品がありますよね。制限中は低脂肪商品を選んで摂取するようにしましょう。
スーパーやコンビニでは脂質をカットした商品も多くあります。低脂肪や脂質カット商品を選んで食べていく積み重ねがダイエット成功に繋がります。
いつも買っている商品だけではなく、買う際には他に低脂肪や脂質カットの商品が無いか探すようにしてください。
肉は脂質が少ない部位を選ぶ
肉は脂質が高い食べ物です。買う際は脂質が少ないヒレやモモ肉を選ぶようにしてください。鶏肉はむね肉、ささみがおすすめです。
また、調理する場合に脂身の部分を包丁で削ぎ取って処理するのも良いでしょう。鶏肉の場合は皮に脂肪が多いので皮を取り除いてから調理してください。こうすることで、肉を食べる場合でも脂質の摂取量を抑えられます。
良質な油を摂る意識をする
脂質の摂りすぎは体に悪い影響を与えますが、適切に摂れば健康に役立つ栄養素です。油を摂るのであれば、体に良いとされる良質な油を摂るように意識しましょう。
例えばオリーブオイルやアボカドにはオレイン酸と呼ばれる脂質が含まれています。このオレイン酸は悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
また、青魚に含まれるDHA・EPAも健康に良いと聞きますよね。DHA・EPAは高血圧の減少や血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。
このように同じ油でも良質な油と言われているものは健康増進をサポートする重要な成分が含まれています。脂質を全て制限するのではなく、良質な油を積極的に摂取していきましょう。
良質な油とは?
脂質を抑えるポイントとして「良質な油を摂る」ことを挙げました。しかし「良質な油」と言われてもどの食べ物を選べば良いか分かりませんよね。
次に「良質な油」のもう少し具体的な解説と、多く含まれている食べ物をお伝えします。制限中の毎日の食事の参考にしてみてください。
良質な油とそれ以外の違い
まず、脂質は大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分かれます。「飽和脂肪酸」は常温で固形の特徴があり、一般的に肉や乳製品などの動物性食品に含まれている油(脂)です。「不飽和脂肪酸」は常温で液状の油で、植物油や青魚に多く含む特徴があります。
この「不飽和脂肪酸」が健康アップが期待できる成分です。不飽和脂肪酸の中でも細かく種類が分類されますが、前項でお伝えしたオレイン酸やDHA・EPAなどが含まれます。
美肌効果、血圧低下、悪玉コレステロールの減少、動脈硬化リスクの低減、便秘解消などの作用が期待できます。特にグレープシードオイルや大豆油に多く含まれる「リノール酸」という油は、人間の体内では生成できないので食べ物で摂取する必要のある必須脂肪酸です。欠乏すると皮膚障害がおこる可能性があります。
制限中は脂質20~40gの摂取が目安です。油を摂るのであれば不飽和脂肪酸を中心に摂るように意識しましょう。
不飽和脂肪酸を多く含む食べ物
不飽和脂肪酸について学びましたが、毎日の食事の中でどのように摂取すれば良いのでしょうか。不飽和脂肪酸が多く含まれている食べ物は身近にもたくさんあります。
代表的な食べ物を挙げました。
不飽和脂肪酸を多く含む食べ物
- オリーブオイル
- 亜麻仁油
- エゴマ油
- アボカド
- アーモンド
- ピーナッツ
- サバ
- イワシ
- サンマ
オリーブオイルなどの植物油は火を入れないで摂取しましょう。サラダにアボカドやナッツ類を加え、オリーブオイルをかけて食べると不飽和脂肪酸を効率良く摂取できます。
普段、肉料理中心の人は魚料理中心の食生活にしてみるのもおすすめです。制限中はただ減らすだけではなく、油の質にも注意してみてください。
脂質制限する時の注意
最後に脂質制限をする時の注意事項をお伝えします。間違った知識でダイエットを続けると、かえって逆効果だったり体調不良になったりする可能性があります。ポイントを抑えて安全に正しくおこなうことが重要です。
大きく3つのポイントに分けました。全て大切なので、脂質制限をする前にしっかりと読んでおきましょう。
全く摂らないのは止める
「早く痩せたい」という理由から、脂質を全く摂らないのはNGです。脂質は体にとって悪いものではありません。体を動かすエネルギーや肌の細胞膜をつくる重要な栄養素です。
摂りすぎは太る原因や病気のリスクが上がりますが、全く摂らない、または極端に減らすと肌が荒れたり体調不良になったりします。イライラの原因になる可能性もあります。
最低でも一日の総摂取カロリーの20%は摂るようにしましょう。
他の栄養素は制限しない
脂質制限をしている間は他の栄養素の制限はしないでください。特に、脂質制限と一緒に糖質制限をしようとする人が多いです。
脂質に加えてさらに糖質を制限すると、体を動かす必要最低限のカロリーや栄養素が足りなくなります。足りない状態が続くと体調を崩しやすくなったり、便秘になったりする恐れがあるのでダイエットとは逆効果です。
健康的に痩せるために、脂質制限中は脂質だけを抑えるようにコントロールしましょう。
適度な運動を取り入れる
食事制限だけよりも運動を取り入れたダイエットの方が効率良く痩せられます。脂質制限中は運動をする習慣もつけましょう。
激しい運動をする必要はありません。毎日30分のウォーキングや筋トレなど、無理をしない範囲で続けられる運動をおこなってください。
脂質の正しい量を学んで理想の体型を目指そう
脂質制限中は総エネルギーの20%以下、20g~40gを目標に脂質を摂取しましょう。一日30gと決めておくと上手にコントロールできます。
脂質は様々な食べ物に含まれているので、どの食べ物にどれくらい含まれているかを学ぶことが必要です。また、良質な油を積極的に摂れるように食事内容を見直すことも大切です。
制限中の正しい脂質摂取量を学んで、理想の体型を目指していきましょう。
[参考資料]
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)-文部科学省
・令和元年「国民健康・栄養調査」の結果-厚生労働省
・eヘルスネット「不飽和脂肪酸」-厚生労働省
・脂質のとりすぎに注意-農林水産省
少し運動したり、軽い食事制限をしていればスタイルをキープできていた20代と違って
女性は年齢を重ねると、さまざまな要因から痩せにくい身体へと変化していきます。
美しさを保つために、日々たくさんの努力をされているかと思いますが
仕事に家事に育児に・・・とにかく時間がない!という方も多いはず。
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