「バナナは太る?」「糖質制限中にバナナは食べても大丈夫?」
甘くてお腹が満たされるバナナには、どのくらいの糖質が含まれているのか気になる方も多いでしょう。とくに糖質制限中には、バナナを食べてもよいのか知っておくことが重要です。
本記事では、バナナに含まれる糖質やカロリー、おすすめの食べ方などを解説します。バナナが好きな方や糖質制限中の方はぜひ参考にしてみてください。
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バナナは太る?
バナナはご飯やパンなどの主食と比較すると低カロリーなので、太りにくい食材といえます。
お菓子やジュースと比べてもカロリーが低く、さらに腹持ちもよいため、間食の代わりにバナナを取り入れるのもおすすめです。
ただし、バナナは他の果物と比べるとカロリーが高いため、食べ過ぎるとカロリーオーバーとなってしまいます。どのような食品でも食べ過ぎはNGです。
バナナは1日1本を目安に、食べる量に気をつけて取り入れるようにしましょう。
バナナに含まれる糖質量とカロリー
バナナに含まれる糖質量とカロリーを見ていきましょう。他の果物とも比較するため、ぜひ参考にしてください。
バナナに含まれる糖質量
バナナ1本(220g)あたりの糖質量は約28.2gです。他の果物と糖質量とカロリー(100gあたり)を比較してみましょう。
果物(100g当たり) | カロリー(kcal) | 糖質量(g) |
---|---|---|
バナナ | 93kcal | 21.4g |
いちご | 34kcal | 7.1g |
みかん | 49kcal | 8.9g |
キウイフルーツ | 51kcal | 9.6g |
りんご | 53kcal | 12.9g |
柿 | 126kcal | 13.3g |
ブドウ | 58kcal | 14.4g |
アボカド | 187kcal | 0.9g |
スイカ | 37kcal | 9.2g |
他の果物と比較するとバナナは糖質量が多いことが分かります。これは、バナナの水分量が他の果物の水分量より少ないことや、糖度が高いためです。
糖質制限では、1日糖質を70~130gに抑えます。もし糖質量を1日70gに設定している場合、バナナ1本食べるだけで1日の半分程度の糖質を摂取することになります。
なお、ご飯1杯(150g)の糖質は55.2gです。朝食にご飯をお茶碗1杯食べるよりも、バナナ1本にしたほうが糖質が少ないことがわかります。
バナナのカロリー
バナナ1本(220g)あたりのカロリーは1本114Kcal 程度です。他の果物とのカロリー比較は上の表を参照してください。
糖質量が多いとカロリーも高いと思われがちですが、カロリーは他の果物と比較しても低カロリーであることがわかります。
なお、ご飯1杯(150g)のカロリーは、カロリーは234kcalです。朝食にご飯をお茶碗1杯食べるよりも、バナナ1本にしたほうがカロリーを抑えられます。
バナナに含まれる主な栄養素7つ
バナナには食物繊維やビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれています。糖質のみではなく、他の栄養素にも注目してみましょう。バナナに含まれる代表的な栄養は以下の通りです。
バナナに含まれる主な栄養素
- 糖質
- カリウム
- マグネシウム
- 食物繊維
- ビタミンB6
- モリブデン
- トリプトファン
それぞれの栄養素について詳しく解説していきます。
1.糖類
バナナの糖質には、消化されやすいブドウ糖や果糖、ショ糖などが含まれています。
- ブドウ糖:エネルギー源として活用される。
- 果糖:デンプンに比べると消化吸収が早いので、エネルギー源の補給を急ぐときに効果的。
- ショ糖:ブドウ糖と果糖が結合したもの。小腸でブドウ糖と果糖に分解されて吸収される。
- フラクトオリゴ糖:腸内環境を整える。
バナナの糖類は消化吸収されやすいため、すぐにエネルギー源となり腸内環境も整えます。
2.カリウム
バナナにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムには、余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる作用があります。
私たちの体は細胞内にカリウム、細胞外にナトリウムが存在していることをご存知でしょうか。細胞内外の濃度は一定に保たれていますが、食塩の摂取が多くなると細胞外のナトリウムが増えてしまいます。
細胞内のカリウムとのバランスを取らなくてはいけないため、食塩(ナトリウム)の摂取が増えたらカリウムも多く摂る必要があります。
ナトリウムの摂り過ぎでカリウムが不足すると、心筋のはたらきが鈍り不整脈が起こりやすくなります。さらに、全身の筋肉に脱力感が出るケースもあるようです。
無気力や食欲不振、夏バテなど思い当たる節がある場合は、カリウムが不足していることが原因かもしれません。果物に含まれるカリウム量は以下の通りです。
- りんご(中1個:250g):234mg
- ネーブルオレンジ(1個:250g):293mg
- いちご20粒(300g):520mg
- バナナ(150g):324mg
- アボカド(1/2個:125g):630mg
- すいか(1切れ:400g):288mg
上記の果物の中でもバナナは安く、切ったり洗ったりする必要がないため手軽にカリウムを摂取するのに向いています。
3.マグネシウム
バナナにはマグネシウムも多く含まれています。私たちの体内に存在するマグネシウムは以下の通りです。
- 骨:約60%
- 筋肉:約20%
- 血液中:1%以下
マグネシウムはカルシウムとバランスよく摂取することで、心臓などの循環器系の健康を守り、歯や骨を強くしています。カルシウム・カリウム・ナトリウムと比べると、マグネシウムの体内量はほんのわずかです。
マグネシウムが欠乏すると、骨に含まれるマグネシウムが利用されていきます。そのため、マグネシウムが不足するとカルシウムのバランスが悪くなります。
慢性的にマグネシウムが不足すると、循環器系に障害が出て狭心症や心筋梗塞を引き起こす可能性が否定できません。身近なところでいうと、筋肉痛も起こりやすくなります。
さらに、マグネシウムは抗ストレスミネラルと呼ばれ、安定した精神状態を保つ役割も果たします。とくにアルコールを飲む方は、マグネシウムが体外に排出されてしまうため、積極的に摂ることが必須です。
4.食物繊維
バナナには食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、腸内環境を整えてお腹の調子を整える重要な栄養素です。
食物繊維は、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2つに分類されます。バナナに多く含まれる食物繊維は不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は、便の量を増やして腸を刺激し、便通をよくするはたらきがあります。さらに、食物繊維はナトリウムを排出するため、高血圧の予防にも効果的といわれています。
日本人は食物繊維が不足しがちです。体のサインから見る食物繊維の必要量は「1日1回、規則的に排便があるかどうか」です。便秘気味の方は、食物繊維を積極的に摂取するよう意識してみてください。
5.ビタミンB6
ビタミンB6は、タンパク質の代謝に関係する栄養素です。髪や皮膚、歯などの健康を増進する働きや神経伝達物質の生成を助ける働きがあります。口内炎、貧血などの対策にも重要な栄養素です。
バナナにはビタミンB6が100g中に1.04mg含まれており、バナナ1本でほぼ1食分の目標量を摂ることができます。
また、ビタミンB6は筋肉や血液が作られるときに働くため、スポーツなどでタンパク質を多く必要とする方に重要な栄養素です。
6.モリブデン
モリブデンは、代謝に関わる必須ミネラルのひとつで肝臓、腎臓などに多く存在します。鉄分の働きを強める栄養素であり、別名「血のミネラル」とも呼ばれており、貧血予防に役立ちます。
モリブデンは微量ミネラルで、必要量が少なく通常の生活で欠乏することは少ないといわれていますが、生体の活動を維持するのに必要な栄養素です。バナナ1本には、1食分の目標量を補うことができるモリブデンが含まれています。
7.トリプトファン
バナナには、トリプトファンが100gあたり15mg含まれています。トリプトファンはうつ傾向のある方や寝つきの悪い方を精神を落ち着かせ、睡眠を促す働きがあります。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンのもととなるのが、このトリプトファンです。
体内で合成できない必須アミノ酸のため、意識的に取り入れる必要があります。セロトニンは日中に生成されるため、朝食や昼食時に取り入れるのがベストです。
トリプトファンは脳に運ばれるとビタミンB6とともにセロトニンを生成するため、果物の中ではトリプトファンを豊富に含むバナナを取り入れることによって、効率よくセロトニンを生成すできます。
糖質制限中にバナナは取り入れてもよいの?
結論からいうと、糖質制限中でも食べる量に気を付ければバナナを食べても問題ありません。
他の果物と比較するとバナナは糖質が多いほうですが、食べる量や組み合わせを意識すると糖質量を抑えることができます。
バナナには、ブドウ糖や果糖などの様々な糖質が含まれています。しかし、吸収が穏やかなでん粉や食物繊維も多く含まれるため、血糖値も急激に上昇することがありません。
バナナは甘いことから高GI食品と思われがちですが、GI値は51と意外と低くなっています。
グリセミック指数 (glycemic index)。食品ごとの血糖値の上昇度合いを表現する数値。
食品のGI値は以下を参考にしてください。
食品名 | グリセミック指数 |
---|---|
上白糖 | 99 |
食パン | 95 |
フランスパン | 95 |
精白米 | 88 |
ドーナツ | 86 |
うどん | 85 |
ショートケーキ | 82 |
そうめん | 80 |
赤飯 | 77 |
ベーグル | 75 |
コーンフレーク | 75 |
胚芽精米 | 70 |
クロワッサン | 70 |
玄米+精白米 | 65 |
玄米フレーク | 65 |
パスタ | 65 |
玄米 | 55 |
雑穀米 | 55 |
ライ麦パン | 55 |
オートミール | 55 |
さつまいも | 55 |
バナナ | 55 |
そば | 54 |
中華麺 | 50 |
全粒粉パン | 50 |
全粒粉パスタ | 50 |
100%ジュース | 42 |
メロン | 41 |
リンゴ | 36 |
オレンジ | 31 |
グレープフルーツ | 31 |
イチゴ | 29 |
果糖 | 20 |
様々な糖質制限がありますが、無理なく続けられる糖質制限として推奨されているのが1日あたり120g(1食あたり40g)の糖質量を摂る方法です。
バナナは1日1本を目安として取り入れるとよいでしょう。他の食材で1日あたりの糖質量が超えないように、組み合わせを工夫することがポイントです。
ダイエット中におすすめのバナナの食べ方5つ
糖質制限を含め、ダイエット中にバナナを食べる際は何に注意すべきなのでしょうか。今回は、5つのポイントを紹介します。
ダイエット中におすすめのバナナの食べ方
- 1日1本を目安に食べる
- 日中に食べる
- 主食代わりに食べる
- おやつの代わりに食べる
- バナナヨーグルトを食べる
1.1日1本を目安に食べる
糖質制限の項目でも解説したように、ダイエット中にバナナを食べる場合は1日1本までにすることをおすすめします。ただし、小さなサイズのものなら2本程度食べても問題ありません。
健康な成人の場合、1日200g程度の果物を食べることが推奨されています。これを「毎日くだもの200グラム運動」といいます。
通常サイズのバナナは1本あたり220g前後なので、1日に1本食べれば栄養的にも十分です。バナナを食べ過ぎると、カロリーや糖質の摂り過ぎとなる可能性があるため注意しましょう。
2.日中に食べる
ダイエット中にバナナを食べる場合は、夜ではなく日中に食べることを推奨します。午前中~15時頃がベストタイミングです。
夜はエネルギーの消費量が少なくなり、脂肪をため込みやすい時間帯です。その理由の1つとして、「BMAL1(ビーマルワン)」というタンパク質の1種が関係しています。
体内の時計遺伝子の1つ。
このMAL1が増加すると、脂肪をため込みやすくなります。 MAL1が急増するのが夜21時以降、逆に少ないのが昼14時前後時頃です。
この仕組みからも、夜間にバナナを食べると太るリスクがあるといえるでしょう。ダイエット中は15時頃までにバナナを食べることをおすすめします。
3.主食代わりに食べる
ダイエット中のバナナの食べ方として、ご飯やパンなどの主食代わりに食べる方法があります。主食を食べたうえでバナナを食べると、カロリー・糖質ともにオーバーする可能性があるためです。
ご飯・パン・麺類などの主食は、カロリー・糖質ともに高く、糖質制限中はとくに注意する必要があります。主食の代わりにバナバを食べることで、無理なくカロリー・糖質を抑えられるでしょう。
4.おやつの代わりに食べる
おやつ代わりにバナバを食べる方法もあります。「ダイエット中におやつはNG」と思ってる方は多いでしょう。しかし、空腹を我慢しすぎるとドカ食いにつながる恐れがあります。
お菓子やスイーツと比較すると、バナナはカロリー・糖質ともに低い傾向にあります。また、腹持ちがよく、体に必要な栄養素も豊富に含まれている点も魅力です。
5.バナナヨーグルトを食べる
ダイエット中におすすめの食べ方として「バナナヨーグルト」が挙げられます。ヨーグルトと組み合わせることによって、バナナにはほとんど含まれないタンパク質を摂ることができるためです。
タンパク質を摂ることで、筋力アップ効果にもなり代謝が高まります。また、バナナに含まれる食物繊維は、ヨーグルトに含まれる乳酸菌のエサとなって腸内環境を整えます。
バナナジュースを作る際も牛乳を豆乳に置き換えることによって、糖質量を抑えることができるでしょう。ヨーグルトやジュースにバナナを使用する際は、砂糖やはちみつの量を控えて糖質量を抑えることをおすすめします。
【タイミング別】バナナに期待できる効果
バナナは時間帯によって得られる効果や期待できる効果が違うため、自身の体調や期待する効果に合わせて食べる時間を決めるのもおすすめです。今回は、3つのタイミングとそれぞれの効果を紹介します。
タイミング別に見るバナナの効果
- 朝食バナナで脳と体を目覚めさせる
- 昼バナナでエネルギーをチャージ
- 夜バナナを食べてリラックス
1.朝食バナナで脳と体を目覚めさせる
1つ目のタイミングは、朝バナナです。朝食代わりにバナナを食べることで、脳と体がすっきりと目覚めます。
私たちの体は睡眠中も脳やエネルギーを使っているため、起床時はエネルギー不足の状態になっています。
朝食にバナナを取り入れることによって、バナナに含まれるブドウ糖がすばやくエネルギーになり、睡眠中に失われた体を回復させてくれるでしょう。
2.昼バナナでエネルギーをチャージ
2つ目のタイミングは、昼バナナです。昼食や間食のタイミングでバナナを食べると、午後からのエネルギー補給になります。
バナナには、すばやく体内に吸収されるブドウ糖や果糖、後からゆっくりエネルギーになるショ糖やでんぷんなどの糖質が含まれていています。
よって、「午後も集中したい」「夕方までエネルギーを持続させたい」といった午後からのエネルギー補給に最適です。
3.夜バナナを食べてリラックス
3つ目のタイミングは、夜バナナです。先ほども解説したように、ダイエット中は夜にバナナを食べることはおすすめできません。ただし、リラックス目的なら夜にバナナを食べるのもありでしょう。
心の安定や自律神経のバランスを整えてくれる働きのある脳内伝達物質「セロトニン」は、バナナに含まれるトリプトファンから生成されます。
よって、夜にバナナを食べることによって1日の疲れや緊張が和らぎ、リラックス効果が期待できます。リラックスすることによって、質のよい睡眠にもつながるでしょう。
ダイエット中もバナナを上手に取り入れよう
ダイエット中にバナナを食べても問題ありません。ただし、バナナを食べ過ぎるとカロリー・糖質ともにオーバーする恐れがあるため要注意です。
とくに糖質制限中は、1日に摂取できる糖質量が少ないので注意しましょう。バナナは1日1本までを目安に食べるのがおすすめです。
バナナには、糖質以外にも体によい栄養素が豊富に含まれています。バナナを上手に取り入れて、健康的にダイエットに取り組みましょう。
[参照]
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