三大栄養素とも言われる私たちが生きる上で重要な役割を持つ脂質。しかし、脂質は摂りすぎると肥満の原因や脂質異常症等の病気のリスクが上がる恐れがあります。
現代の食事は脂質が多く含まれていることが問題になっており、適切な量の脂質を摂る工夫が必要です。そして脂質を摂りすぎない為に低脂質の食材を選ぶことも大切になってきます。
今回は10つの低脂質の食材をご紹介します。食べる時や調理時のポイント、脂質の吸収を抑える食べ方も解説していますので、最後までお読みください。
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低脂質の食材10選
早速、低脂質の食材を見ていきます。普段、食事をする際に油の量を気にする人も少なくありません。しかし、揚げ物や油っぽい料理ではなくても食材自体が高脂質なものは多いです。
脂質の摂取を抑えるには低脂質の食材を知ることも大切です。今回は10つの低脂質の食材をご紹介します。毎日の食材を選ぶ時の参考にしてみてください。
1.野菜類
野菜は一般的に脂質が無いイメージとして広く定着しています。野菜は葉物や根菜等のいくつかに分類されていますが、どの野菜も比較的脂質は低いです。
脂質が低い野菜は調理法が大事になってきます。サラダにして生の状態で食べることもありますが、炒めたり煮たりすることも多いですよね。その際に油を多く使うと食事全体の脂質が高くなってしまうので注意しましょう。
また、サラダを食べる場合でも脂質の多いドレッシングやマヨネーズを多用すると脂質は上がるので気をつけてください。
2.果実類
果物は糖質は多いですが脂質は少ないです。脂質を抑えたい場合には食事に果物を取り入れるようにしましょう。
果物にはビタミンやカリウム等の栄養素も豊富に含まれています。食事全体の栄養バランスも良くなって、より健康アップが期待できます。
しかし1つ注意点があります。果実類の中でもアボカドは高脂質です。1個当たり約20gの脂質が含まれます。食べ過ぎには注意してください。
3.海藻
海藻は低脂質で食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は脂質の吸収を抑える働きがあるので、脂質が気になる人は食事に海藻を取り入れるようにしましょう。サラダに混ぜたり、三杯酢で和えたり、味噌汁に入れたりと様々な料理に使うことができます。
1番料理に使いやすい海藻は乾燥ワカメです。使いたい分だけ使えて長期保存が可能なので便利です。ストックしておくようにしましょう。
4.きのこ
きのこは低脂質で食物繊維が豊富に含まれています。どんな料理にも合うので使いやすいですよね。
栄養素では食物繊維の他にビタミンDが豊富です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあるので骨粗しょう症予防にも繋がります。
油で炒めると脂質が上がってしまうので炊き込みご飯にしたり、煮物に使うようにしましょう。
5.卵
卵には1個当たりに5.2gの脂質が含まれています。
ご紹介している他の食材と比べると脂質量は高いですが、卵は全体の栄養バランスが良くて高タンパク質でもあるので1日に1~2個であれば食べて良い食材です。ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
ただし、卵焼きや目玉焼きにすると油を使うのでゆで卵や汁物に入れて食べるようにしましょう。
6.豆腐
原材料の大豆は脂質が多いですが、豆腐は水分が多く含まれている為、低脂質です。
絹豆腐は100g当たり脂質3.5g、木綿豆腐は4.9g含まれています。木綿豆腐の方が水分が少ないので高い値になっています。
低脂質に抑えるにはそのまま冷や奴にして食べるのがおすすめです。野菜と一緒に煮ても美味しく食べることができます。
7.鶏のささみ
茹でた状態で100g当たり、脂質は1.0g。
比較的肉類は高脂質ですが、鶏肉であれば低脂質に抑えられます。買う時にはその中でもさらに低脂質なささみ部分を選ぶようにしましょう。高タンパク質でもあるのでダイエットにもおすすめの食材です。
食べ方は茹でてサラダと混ぜるのがおすすめです。野菜と煮たり、蒸しても美味しく食べられます。
8.貝類
どの貝類も低脂質・低カロリーなのでダイエットにもおすすめの食材です。
亜鉛や鉄分等のミネラルも豊富に含まれています。ホタテに牡蠣、赤貝、シジミ、アサリと種類も様々。どんな料理にも使えます。
生食できるものは刺身でも良いですが、貝はうま味が多く含まれているので他の食材と一緒に汁物に入れるとより美味しく食べられるでしょう。
9.イカ・タコ
魚介類の中でもイカやタコは脂質に加えてカロリー・糖質も低いので、ダイエット食材としても重宝されます。
また、噛み応えがあって満腹感も得やすいです。特にイカはあたりめとして売られていることも多く、小腹が空いた時でも手に入れやすいです。間食としてあたりめを食べても良いでしょう。
スーパーの総菜売り場ではイカリングやタコの唐揚げが売っていることもありますが、揚げ物は脂質が多くなるので控えましょう。刺身やボイルされた状態で食べてください。
10.米
炊きあがったごはん茶碗1杯当たりに脂質は約0.2g含まれます。米は糖質はありますが低脂質なので脂質制限中でも食べることができるのです。
ただし、食べ過ぎには注意です。脂質の摂取量を抑えても糖質を摂りすぎてしまうと太ります。食事全体のバランスを見て、適切な量を食べるようにしましょう。
低脂質の食材を摂るときの3つのポイント
低脂質の食材が分かりましたか?それでは次に低脂質の食材を摂るときのポイントを解説します。
いくら低脂質でも間違った食べ方をすると逆効果になる恐れがあります。難しいことではなく、少し意識するだけで効果は変わってきます。
大事なポイントを3つの項目に分けました。より効果的に摂取できるように注意しながら食べましょう。
1.野菜・海藻・きのこを食事の最初に食べる
1つ目は食物繊維の多い野菜や海藻、きのこを最初に食べることです。食物繊維の多い食材は糖や脂質の吸収を抑えます。食事の最初に食べることで、その効果がより発揮されるのです。
太りにくい体になる為には食事の順番も大切です。最初に食物繊維の多い野菜・海藻・きのこ、次にタンパク質が多い肉や魚等のメイン料理、最後に炭水化物のごはんやパンを食べるのが望ましいです
この順番を意識して食べるようにしましょう。
2.食べ過ぎに注意
2つ目は食べ過ぎに注意です。低脂質の食材を使い、調理法にも気をつけてヘルシーに仕上げても食べ過ぎてしまえば意味がありません。
脂質の量を食事の度に計算する必要は無いですが、食べ過ぎないようにしてください。間食にも注意しましょう。
もしも食べ過ぎたと感じた場合には翌日の食事で脂質をさらに抑えてコントロールするようにしてください。
3.バランスの良い食事を心掛ける
3つ目にバランスの良い食事を心掛けることです。脂質ばかりに注目して他の栄養素を考えずに献立を考えるのは良くありません。
ダイエットをしていると食事の量を極端に少なくする人がいますが、リバウンドの原因になるので止めましょう。三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂質に加えてビタミンやミネラルが満遍なく取り入れてあるのかチェックするようにしてください。
食物繊維を含む食材も重要です。偏りが無いように注意しましょう。
脂質の吸収を抑える調理方法
次に脂質の吸収を抑える調理方法を解説します。比較的脂質が多い食材でも工夫をすると摂取量を抑えることができるのです。
自分で調理をすると料理に脂質がどれだけあるのかが分かります。摂取量を抑えたい人は調理をしてみるのも良いでしょう。
3つの項目に分けて見ていきます。
1.肉は1回下茹でをする
肉は1度下茹でしてから調理するようにしましょう。肉に含まれる脂を落とす役割があります。下茹ですると肉にどれだけの脂が含まれているのかが分かります。
下茹でした後に炒め物に使うと余計な油が出ずにさっぱりと食べられます。調理工程が1つ増えるので面倒ではありますが、この少しの手間が重要。そのまま調理に使うよりも脂質の摂取量を抑えることができます。
2.脂身や皮を取り除く
肉を調理する時に脂身や皮がある場合には取り除いて調理しましょう。肉類は特に脂身や皮に脂肪が多く含まれているので、この部分を除去することで脂質を抑えられます。
肉は高脂質の食材です。しかし、全く食べないというわけにもいきません。少しでも脂質を抑える工夫を知ると楽しく脂質制限ができます。1つ目のポイントと同じように少し手間がかかりますが、覚えて実践するようにしてください。
3.揚げる・炒めるよりも蒸す・茹でる・煮る
3つ目は揚げる・炒めるよりも蒸す・茹でる・煮る調理を行うことです。揚げたり炒めたりする時にはどうしても油を使うので多くの脂質を摂取することになります。
蒸す・茹でる・煮る方法を使えば油を使わずに調理ができるのです。おすすめは蒸す方法です。茹でたり煮たりすると食材の栄養素も水に溶け出て抜けてしまう可能性がありますが、蒸すと栄養素もあまり溶け出さずに摂取できます。
脂質の吸収を抑える食べ方4選
最後に脂質の吸収を抑える食べ方を解説します。ご紹介した低脂質の食材ばかりを食べるだけではなく、脂質を抑えるように自分で選択していくことも大切です。
普段、気づかない間に多くの脂質を摂取している可能性があります。脂質を抑えたい場合には基本的なバランスの良い食事を摂る中で、特に次の4つのポイントを守るようにしましょう。
1.揚げ物を控える・食べない
1つ目は揚げ物を控える、または食べないことです。脂質の制限を決めたのであれば、揚げ物をできるだけ食べないようにしてください。
どうしても食べたい時はパン粉をつけた状態で揚げずにオーブンで焼いたり、少ない油で揚げ焼きにしたりすると揚げ物を食べるよりも脂質を抑えられます。また、次の日の脂質の摂取量を抑える等の工夫をするようにしましょう。
全く食べないで我慢し続けるとストレスが溜まり、かえって暴飲暴食の原因になります。脂質の摂取を上手にコントロールするようにしてください。
2.サラダや海藻・きのこを一緒に食べる
低脂質の食材でもある野菜を使ったサラダ、海藻、きのこは食物繊維も多く含まれています。食物繊維は脂質の吸収を抑える働きがあるので、高脂質の食材を食べる時はこのような食物繊維の多い食材と一緒に食べるようにしましょう。一緒に和えて調理するか、副菜として一品追加してください。
外食をする際にも高脂質な肉と一緒にサラダを頼むように意識したり、メニュー表の中で野菜・海藻・きのこが入っている料理を探して選んだりするようにしてください。
3.ノンオイルの商品を選ぶ
3つ目はノンオイル商品を選ぶことです。ドレッシングには油が多く使われています。ノンオイル商品を選ぶことで脂質の摂取量を抑えられるのです。
他の商品ではツナ缶もノンオイルタイプが展開されています。昨今は市販の商品であっても脂質を抑えたタイプが増えているので便利です。商品を購入の際にはノンオイルタイプを探してみましょう。
4.低脂肪・無脂肪の商品を選ぶ
ノンオイル商品と同じように、低脂肪・無脂肪商品も多く販売されています。代表的なのがヨーグルトや牛乳です。一般的な商品よりも脂質を大幅にカットできます。
その他にも脂質をカットした商品は多くあります。こうした商品を使えば家事や仕事で忙しくても脂質の摂取を抑えることができるのです。常にこうした商品をチェックするようにしてください。
低脂質の食材を上手に使って工夫しよう
脂質は体にとって大切な栄養素ですが、摂りすぎると肥満や脂質異常症のリスクが上がってしまいます。低脂質の食材を知っておくと献立を立てる際に便利です。
野菜や果物、海藻、きのこ等の食物繊維が多く含まれる食材は低脂質の傾向があります。また、脂質を抑えるには食材の食べる順番や調理方法も重要です。高脂質である肉類でも下茹でしたり、脂身や皮の部分を取り除いたりすることで脂質を抑えられます。
脂質を制限する際には常に脂質の量を意識するようにしましょう。ただし、脂質以外の栄養バランスも大切です。低脂質の食材や脂質を抑えるコツを知って自らコントロールすることが大切になってきます。
最近ではノンオイルや低脂肪等の脂質を抑えた商品も幅広く展開されています。こうした商品を使うことで忙しい時でも脂質を抑える食事ができるのです。
低脂質の食材を上手に使って理想の体を目指していきましょう。
[参考]
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)-文部科学省
・食品成分データベース -文部科学省
・eヘルスネット「食物繊維」
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